パーキンソン病の概要と治療法についてまとめました。
ポイントをまとめると以下の通りです。
- 特徴:4大症状「安静時振戦」「筋固縮」「無動・稼動」「姿勢反射障害」+精神症状+自律神経障害
- 病態:中脳黒質の変性
- 治療法:薬物療法、手術療法
- リハビリテーション:運動療法、音楽療法、環境調節
これらのポイントを踏まえて、パーキンソン病患者様の進行に合わせて治療、リハビリテーションを展開することが必要です。
概要
パーキンソン病は中脳黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性変性疾患。
4大症状として「安静時振戦」「筋固縮」「無動・稼動」「姿勢反射障害」がある。
4大症状の他に「2つ以上の動作能力の低下」「リズムを作る能力の低下」「精神症状」。
発症年齢は50〜65歳に多い。高齢になると発病率が増加する。
40歳以下で発症する若年性パーキンソン病もある。
原因
現在は不明な点が多い。遺伝性や環境因子が影響していると言われている。
パーキンソン病は中脳黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性変性疾患。
症状
運動症状
4大症状
- 安静時振戦:安静時に手足が震える。左右差あり。
- 筋固縮:他動運動で抵抗感あり。
- 無動・稼動:動きが遅くなる。動けなくなる。
- 姿勢反射障害:ステップ、保護伸展反射が出現しなくなる。すくみ足。
4大症状以外にも
- 動作が全般的に遅くなる。
- 表情変化が乏しくなる(仮面様顔貌)。
- 歩行は前傾となり歩幅が狭くなる。
- 進行してくるとすくみ足が出現し初めの一歩がでなくなる。
精神症状
抑うつ、幻覚、意欲低下、睡眠障害など
自律神経障害
便秘、頻尿、起立性低血圧、痛み・痺れ、浮腫など
評価法
パーキンソン病患者様の生活での影響を大まかに把握するための評価方法になります。
Hoehn-Yahrの重症度分類
Ⅰ度:症状は片側の上肢下肢のみ
Ⅱ度:症状は両側の上肢下肢
Ⅲ度:姿勢反射障害の出現。日常生活に介助は不要。
Ⅳ度:なんとか歩行ができる。日常生活で介助が必要になる
Ⅴ度:車椅子上もしくはベット上の生活
生活機能障害度
1度:日常生活、通院など介助はほとんどいらない
2度:日常生活に介助を要する
3度:日常生活に全面的な介助を要し、歩行・起立が不能
治療法
薬物療法
L-dopa、ドパミンアゴニストが処方されることが多い。早期には有効。
薬剤耐性がつくとonーoff現象(薬が効いている間は動ける、薬が切れると動けない)
が出現する。
手術療法
症状を緩和するもの。病気の進行をとめることはできない。
持続的に治療効果あり。
予後
生命予後:平均寿命より2、3年短い程度。
進行性の疾患であり、人によって進行速度は違う。
- 主症状が振戦→進行遅い
- 主症状が動作緩慢→進行が早い。
適切な治療を行うことで発症10年前後は普通の生活が送れる。
臥床生活になってからの合併症によって生命予後は左右されやすい。
特に誤嚥性肺炎などの感染症が死因となりやすい。
リハビリテーション
リハビリテーションのポイントしては
運動療法
リラクゼーション、ROM訓練、呼吸訓練、移乗訓練、音刺激に合わせた歩行、
立位バランス訓練、筋力訓練など。
運動療法は身体機能、健康関連QOL、筋力、バランス、歩行速度の改善に有効。
音楽療法
外部刺激によって運動症状が改善する。
リズム刺激(聴覚)がパーキンソン病患者の歩行障害に対して有効。
歩行速度、歩幅、バランスの向上、転倒回数の減少が報告されている。
環境調節
環境調節のポイントとしては
環境調節の例としては以下の通りです。
- 起き上がり・立ち上がり・歩行開始時に把持できるものを設置する。
- 自宅内にある段差スロープなどでなくす、もしくは把持物を設置する。
- 掬いやすいおさらにする、大きめなボタン服にする、チャックの持ち手を大きくする。
まとめ
パーキンソン病の概要と治療法についてまとめました。
ポイントをまとめると以下の通りです。
- 特徴:4大症状「安静時振戦」「筋固縮」「無動・稼動」「姿勢反射障害」+精神症状+自律神経障害
- 病態:中脳黒質の変性
- 治療法:薬物療法、手術療法
- リハビリテーション:運動療法、音楽療法、環境調節
これらのポイントを踏まえて、パーキンソン病患者様の進行に合わせて治療、リハビリテーションを展開することが必要です。
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