僕は回復期リハビリテーション病棟に勤めており、AMPSの認定評価者を持っています。
OTIPMで作業療法を実施するメリット・デメリットを解説します。
メリットとデメリットは以下の通りです。
- 作業に焦点を当てやすい
- 面接、作業の観察がプロセスに組み込まれてる
- AMPS、ESIの作業観察場面より訓練内容が考えやすい
- クライエントが作業に問題があると感じていない場合適応が難しい
- クライエントが会話できないと適応が難しい
- 作業場面を観察できない状態だと適応が難しい
メリット・デメリットを理解してクライエントに適応するプロセスモデルを選択しましょう。
OTIPMとは
OTIPMはアン・フィッシャー氏が開発した作業療法実践プロセスモデルです。
作業に焦点を当てること、クライエント中心、トップダウンアプローチを重視したモデルです。
詳細に関しては以下のリンクで解説しています。
メリット
メリットの一覧は以下の通りです。
- 作業に焦点を当てやすい
- 面接、作業の観察がプロセスに組み込まれてる
- AMPS、ESIの作業観察場面より訓練内容が考えやすい
作業に焦点を当てやすい
面接、作業の観察がプロセスに組み込まれてるため、クライエントの作業に焦点を当てやすくなっています。
面接を行うことでクライエントの作業の情報を知ることで、AMPS・ESIが適応するのか、どのような作業観察場面を設定するのか考えます。
作業観察をすることで、関節可動域の測定や筋力測定などではわからない「クライエントの作業の問題点」を知ることができます。
例:近づけば楽に取れるものを、遠くから取ろうとして手を伸ばして無理やり取っている。など
AMPS、ESIの作業観察場面より訓練内容が考えやすい
作業観察場面があることで、クライエントの作業の問題点が浮き彫りなります。
作業のやり方が悪いのか、身体機能・精神機能の低下なのか、環境が悪いのか、を知ることができれば習得モデル、回復モデル、代償モデルに当てはめて訓練内容を考えることができます。
人環境作業モデルを理解しているとよりAMPS・ESIの結果が活かしやすいです。
デメリット
デメリットの一覧は以下の通りです。
- クライエントが作業に問題があると感じていない場合適応が難しい
- クライエントが会話できないと適応が難しい
- 作業場面を観察できない状態だと適応が難しい
クライエントが作業に問題があると感じていない場合適応が難しい
OTIPMは作業上の問題を面接で聴取します。
その際にクライエントが問題を感じていないと、作業に関する情報を聞き出すことが難しいです。
作業に問題を感じていないクライエントに作業観察をすることも難しくなってしまいます。
クライエントが会話できないと適応が難しい
OTIPMは作業上の問題を面接で聴取します。
このため、会話ができない状態のクライエントに関しても状況によってはOTIPMの適応が難しくなってしまいます。
作業場面を観察できない状態だと適応が難しい
OTIPMは作業遂行場面を観察することもプロセスに含まれています。
寝たきり状態や認知機能が低下している、過度な興奮状態と行った状態では作業遂行場面を観察することが困難です。
この場合もOTIPMの適応は困難になります。
デメリットを他の方法で代償する
OTIPMの適応が困難なクライエントに関しては他のプロセスモデルで代償する必要があります。
他のモデルとしてはカナダモデル、人間作業モデル、生活行為向上マネジメントなどがあります。
それぞれ特徴があるので、それぞれのプロセスモデルのメリットを活かして作業療法を実施しましょう。
まとめ
OTIPMで作業療法を実施するメリット・デメリットを解説しました。
メリットとデメリットは以下の通りです。
- 作業に焦点を当てやすい
- 面接、作業の観察がプロセスに組み込まれてる
- AMPS、ESIの作業観察場面より訓練内容が考えやすい
- クライエントが作業に問題があると感じていない場合適応が難しい
- クライエントが会話できないと適応が難しい
- 作業場面を観察できない状態だと適応が難しい
メリット・デメリットを理解してクライエントに適応するプロセスモデルを選択しましょう。
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