OTIPM作業療法介入プロセスモデル【理論・クライエント中心】

OTIPM
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スウェーデンウメオ大学 地域医療とリハビリテーション学科作業療法専攻 教授アン・G・フィッシャー(Anne・G・Fisher)がまとめた作業療法介入プロセスモデル。「クライエント中心client-centered」「真のトップダウンアプローチtop-down」「作業を基盤occupation-based」を強調していることが特徴。

このため、作業とクライエントに焦点を当てるため、作業に根ざした評価・治療が行いやすいです。評価ではCOPMやAMPS、ESIの使用が組み込まれているため、作業療法の成果を数字と作業遂行場面の二つでわかりやすく伝えられる。

OTIPMは以下の概念図で進んでいきます。

評価と目標設定の工程数が多いですが、時間をかけすぎず効率的に行うことも重視されています。

f:id:TAKEW2211:20190422223609p:plainOTIPM概念図

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クライエント中心の作業遂行文脈の確立

日常生活課題におけるクライエント中心の遂行文脈を構成する内的個人因子と外的要因の全体像を知るために10の側面を利用して短時間で情報を集める。

遂行文脈が確立されると

1.クライエントが作業療法に来た理由

2.クライエント中心の遂行文脈ないでの資源と制限

3.クライエントが報告する日常生活課題の遂行レベル

4.評価や潜在的な介入のために最初の目標として、

クライエントの優先すべき課題かわかる

10の側面に関しては以下のリンクで解説しています。

クライエントとの治療的信頼関係および協働的取り組みの発展

クライエント中心の遂行文脈や治療関係(ラポール)を築いていくとき、クライエントと作業療法士との協働的パートナーシップを構築する。

パートナーシップに作業療法士は利用可能な介入戦略と達成の可能性のある知識に関して専門性を持ち込む。クラエイントは自身の価値、興味、目標と優先順位に関する知識を提供する。

クラエイント中心の作業文脈における資源と制限の明確化

クライエントのカルテ記録やサマリーなど文書化されている、背景情報を得る。

クライエントが報告し優先した作業遂行上の強みと問題の特定

クライエントのどんな課題遂行に強みがあり、問題点があるかをクライエントの視点から要約する。

COPMなどの面接法を用いて、クライエントの作業遂行上の問題点を決定し、優先順位をつけることができる。

クライエントが優先する課題の遂行観察と遂行分析の実行

AMPSやESIを用いてクライエントが課題としてあげた作業遂行を観察する。

運動技能、プロセス技能、社会交流技能を身体的努力、効率性、安全性、自立性という観点で観察分析する。

クライエントが効果的に行った、行わなかった行為の特定と説明

観察時の様子をベースラインとして記述する。クライエントの行為の効果的に行った部分、問題となる行為を記載する。

クライエント中心の作業中心に焦点を当てた目標の設定、最終確認あるいは再定義

クライエントと目標を共有する。目標があわなければ再設定。

クライエントの作業遂行上の問題の原因を明確化あるいは解釈

作業遂行の問題となる原因を個人因子、課題、環境の側面から特定して解釈をする

介入モデルの選択と介入計画

代償モデル、習得モデル、回復モデルのうち一つ以上を選択して介入し、計画を立てる。クライエントが集団の場合は教育モデルを選択する。

介入の実行

介入計画の実行をする。

作業遂行の向上と満足の再評価

COPM、AMPS、ESIなどを用いて再評価する。ベースラインと目標を照らし合わせて成果を評価する。

臨床現場では

クライエントの作業遂行を必ず観察評価するため、できていない理由が病気・怪我によるものか、やり方によるものか、環境によるものか、という思考が身につきます。

この思考が身につくことで回復・習得・代償モデルを用いることでクライエントの作業遂行が可能となるのか、可能化をすることができるようになります。

まとめ

「クライエント中心client-centered」「真のトップダウンアプローチtop-down」「作業を基盤occupation-based」を強調していることが特徴。

このため、作業とクライエントに焦点を当てるため、作業に根ざした評価・治療が行いやすいです。評価ではCOPMやAMPS、ESIの使用が組み込まれているため、作業療法の成果を数字と作業遂行場面の二つでわかりやすく伝えられる。

 

コメント

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