トップダウン(top-down)、ボトムアップ(bottom-up)アプローチの違いについて解説します。
トップダウンアプローチの特徴は以下の通りです。
問題に関連する可能性があるところから評価・介入をする
ボトムアップ アプローチの特徴は以下の通りです。
全般的・一般的な評価をすべて行なっていく、得られた評価から詳細な問題点へ焦点を当てていく
実際の場面ではアプローチのみを使用するのではなく、トップダウン・ボトムアップ アプローチを状況によって使い分けることが必要です。
トップダウンアプローチ
問題に関連する可能性があるところから評価・介入をすることです。
- 問題のある部分から評価介入できるので、評価時間の短縮・介入の効率化ができる。
- 不要な評価介入をしなくても良いため、クライエントへの負担が減る。
- 作業中心に評価介入するため作業と人(心身機能)と環境のつながりがわかりやすい。
- 作業療法の成果が明確化される。
- 作業中心の実施が困難なクライエント(意思疎通ができない、超急性期など)には適応が難しい。
- 必要な評価、不要な評価を区別することに経験と熟練を要する部分がある
ボトムアップ アプローチ
全般的・一般的な評価をすべて行なっていく、得られた評価から詳細な問題点へ焦点を当てていくこと。
- クライエントの疾患に合わせた評価を全て行うことで問題点が明確化しすい。
- 評価を全て行うため問題点の見落としが少ない。経験が浅い人でも実施やすい。
- クライエントの問題点に関係のない評価があるため負担がかかる。
- 全ての評価を行うため、作業と人と環境のつながりがわかりづらくなる可能性がある
トップ-トゥ-ボトムアップ(top-to-bottom-up)アプローチ
クライエントから作業の問題点の聴取を行い、全ての評価(個人因子、心身機能、環境因子)を行い、またクライエントの作業の問題との関連性を考えること。
このアプローチの他の特徴としては、作業療法士は観察を通してクライエントが報告した問題を適切に確かめる。効果的ではない特定の遂行技能を明確にするためにの時間を取らないこと。
ボトムアップ アプローチの手順からクライエントの作業遂行の観察が抜けているアプローチ
臨床で行うときは ※個人の考え
どちらのアプローチもクライエントの状態に合わせて実施していくことが大切です。
以下のように分けてアプローチを実施すると良いと思います。
作業遂行の問題点が自身・家族などから報告できるクライエント
- トップダウンアプローチが行いやすいと感じます。
- 個人的にはCOPMや生活行為聞き取りシートを実施し、作業遂行の観察をして問題点を明確化し、治療を実施していきます。
作業遂行の問題点が報告できないクライエント
- 意思疎通が難しく作業遂行の問題点を挙げることや観察が困難な状態であることが多いです。
- その場合はボトムアップ アプローチで疾患にあった評価を実施して問題点を明確化し、治療を行います。
クライエント希望する作業遂行が困難なクライエント
- トップ-トゥ-ボトムアップ(top-to-bottom-up)アプローチを実施します。
- 個人因子・心身機能・環境因子から作業遂行が行えるか関連性を整理していきます。
まとめ
トップダウン(top-down)、ボトムアップ(bottom-up)アプローチの違いについて解説しました。
トップダウンアプローチの特徴は以下の通りです。
問題に関連する可能性があるところから評価・介入をする
ボトムアップ アプローチの特徴は以下の通りです。
全般的・一般的な評価をすべて行なっていく、得られた評価から詳細な問題点へ焦点を当てていく
実際の場面ではアプローチのみを使用するのではなく、トップダウン・ボトムアップ アプローチを状況によって使い分けることが必要です。
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