買い物困難者を支える移動スーパー【作業療法士の視点で】

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 5月20日放送のBACKSTAGEという番組をたまたま見ました。内容は買い物困難者を支える移動スーパーの話です。オーナーさんは商品を売るだけでなく、お客様とのつながりを大事にしていました。

 買い物困難者の現状と作業療法士としての思ったことをまとめました。

  • 買い物困難者は全国で824万6千人程度いる。
  • 買い物困難者は65歳以上が多い。
  • 移動スーパーでは地域住民が孤立しないようにつながりを作ることができる。
  • 作業療法士として買い物支援の一つとして考えることができる。
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買い物困難者

 農林水産省の定義では、「高齢者等を中心に食料品の購入や飲食に不便や苦労を感じる方」を買い物困難者、買い物難民、買い物弱者と定義しています。

 農林水産省の調査では全国で824万6千人程度の買い物困難者がいると推定されています。

 特に65歳以上の割合が多いです。病気や身体機能の低下、免許の返納などにより割合が増えています。

食料品アクセス困難人口の推計(2015年)

資料:農林水産政策研究所
注1)アクセス困難人口とは、店舗まで500m以上かつ自動車利用困難な65歳以上高齢者を指す。
   2)「平成27年国勢調査」および「平成26年商業統計」のメッシュ統計を用いて推計したものである。
   3)店舗は食肉、鮮魚、果実・野菜小売業、百貨店、総合スーパー、食料品スーパー、コンビニエンスストアである。
   4)東京圏は東京、埼玉、千葉、神奈川、名古屋圏は愛知、岐阜、三重、大阪圏は大阪、京都、兵庫、奈良である。
   5)ラウンドのため合計が一致しない場合がある。

買い物困難者への対策

 行政としては宅配、買い物代行、配食、移動販売、コミュニティバスなどの対策を実施していますが、地域によっては実施が十分にできていない地域もあるようです。

 支援内容としてはコミュニティバス、乗合タクシーなどの移動支援の割合が多いです。

 今回の番組の移動スーパーは民間が行なっているものになっています。

作業療法士的な視点で見ると

  • 身体的な問題、介護をしていてる、車の免許がないなどスーパーに行くことができない人が買い物できる。
  • オーナーさんがお誕生日を祝う、買い物を代行するなど地域住民とのつながりを作っている。
  • 地域の人が集まる場になっている。

 以上の点が買い物という作業と通じて、人とのつながりができる点が良いと感じました。

地域とのつながりを作る

 買い物困難者の中には身体的問題や金銭的問題でスーパーに行くことが困難になっています。このため、社会参加も困難になり社会とのつながりが希薄になり、孤立してしまう危険性があります。

 今回の番組の中では、オーナーさんが車で地域住民のところに訪れることで、買い物を通してオーナーさんと地域住民の社会的なつながりができて孤立してしまうことがなくなります。

 また、周辺の地域住民もあつまるため、地域住民同士のつながりを作ることもできます。

作業療法士の支援として

 作業療法士が「入院している患者様・利用者様が退院するとき」「地域で生活している人に関わっている時」にスーパーに行けない人と遭遇することがあります。

 訪問介護やネットスーパーで買い物を代行する手段もありますが、移動スーパーが対象者の住んでいる地域に来るのか調べて支援する方法もあると感じました。

まとめ

  • 買い物困難者は全国で824万6千人程度いる。
  • 買い物困難者は65歳以上が多い。
  • 移動スーパーでは地域住民が孤立しないようにつながりを作ることができる。
  • 作業療法士として買い物支援の一つとして考えることができる。

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