作業遂行を評価する方法してAMPSがあります。今回は実施手順について解説をします。
AMPSの実施手順をしることで最大メリットは「クライエント中心の作業療法が実施できること」です。
理由としてはAMPSとOTIPMの開発者がアン・フィッシャー先生で同じ人であるため、親和性が非常に高いです。
AMPSの実施手順とOTIPMのプロセスを両方理解するとよりクライエント中心の作業療法が実施しやすくなるでしょう。
実施手順
実施手順は以下の通りです。
この手順で進めていくとOTIPMのプロセスで進められます。
- クライエントの作業遂行状況について面接・カルテで情報集取
- 作業療法士がクライエントに合う課題を5つほど選択する
- クライエントと相談して実施する2課題を決める
- 課題の1つ目を実施 ※このとき、作業療法士は観察したことをメモする
- 課題の2つ目を実施 ※このとき、作業療法士は観察したことをメモする
- メモをもとに点数をつけ、パソコンソフトに入力し点数を出す
- 点数と観察した技能をもとに治療プログラムを立案する
以下にそれぞれの項目について解説します。
クライエントの作業遂行状況の情報集取
クライエント自身から面接とカルテやその他の情報提供書などからクライエントの作業遂行ぶっ脈を確立していきます。普段どのような作業を行なっているのか、どの時間帯に行なっているのか、どの場所で行なっているのか、誰と行なっているのか、現在その作業をする必要があるのか・したいのか、などOTIPMの10の側面を参考にしながら決めていきます。
10の側面に関しては以下のリンクで解説しています。
クライエントに当てはまる課題を5つ選択する
AMPSは「121課題」の作業遂行課題が設定されています。
その中からクライエントの作業遂行の状況にあう課題、難易度がちょうど良い課題を5つ作業療法士が選択します。
例えば主婦としての役割を持っているクライエントに関しては「掃除機をかける、洗濯物をたたむ、味噌汁をつくる、アイロンをかける」といった具合に5つの課題を選びます。
クライエントと相談して実施する2課題を決める
AMPSの実施基準である2つの課題観察のため、作業療法士が選択した5つの課題からクライエントと相談して実施する2つまで絞り込みます。
クライエントと協働して決定していくことが重要です。
課題の実施
2つ決めた課題をクライエントに実施してもらいます。
この時に作業療法士はクライエントが実施している作業遂行を観察してメモを取ります。
観察したことをメモするだけでこの段階では考察はしません。
課題の実施中は転倒や怪我などのリスクがないようにいざという時は介助ができるようにします
メモをもとに点数をつけ、パソコンソフトに入力し点数を出す
課題の観察メモをもとに「作業遂行技能」と「身体的努力があったか、効率よく行えていたか、安全に行えていたか、介助が必要だったか」の点数をつけて、パソコンソフトに入力をして点数を出します。
この段階から作業遂行がよく行えていた技能、行えていなかった技能など考察をしていきます。
点数と観察した技能をもとに治療プログラムを立案する
パソコンソフトから出力された結果をもとに治療プログラムを立案します。
- 作業遂行技能が身体機能的な面で行えず、作業療法介入によって回復の見込みがあるものは「回復モデル」
- 作業遂行のやり方によって、作業遂行技能が低下している場合は「習得モデル」
- 作業遂行を行う環境が悪い場合は「環境モデル」
かなり簡単に書いていますが以上のような形でOTIPMの治療モデルに当てはめて治療プログラムを立案していきます。
まとめ
今回はAMPSの実施手順について解説をしました。
AMPSの実施手順をしることで最大メリットは「クライエント中心の作業療法が実施できること」です。
AMPSの実施手順とOTIPMのプロセスを両方理解するとよりクライエント中心の作業療法が実施しやすくなるでしょう。
OTIPMについては以下のリンクで解説をしています。
コメント
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