クライエントと作業療法士が目標を共有するためには面接を実施します。
面接を実施する際に
- 「どのように話をして良いかわからない」
- 「クライエントから目標が出てこない」
- 「作業療法士が一方的に立てた目標になってしまう」など
作業療法士は困ることが多いです。
このような時に有効なのか半構造化面接である「ADOC(Aid for Decision-making in Occupation Choic)」です。
ADOCの利点としては以下の通りです
- 手順が決まっている
- 目標となる作業をクライエントに出してもらう時に「イラスト」でわかりやすい
- 「イラスト」をみてクライエントが語り出してくれることがある
それぞれの利点について解説します。
手順が決まっている
ADOCは実施手順が決まっています
- iPadアプリを起動してログインする
- クライエントの情報を入力する
- イラストからクライエントが重要な作業を選ぶ
- 選んだ作業の重要度を決める
- 作業療法士がクライエントに重要と思われる作業を選ぶ
- クライエントと作業療法士が重要な作業を最高5つ選ぶ※クライエントよく話し合いましょう
- 選んだ作業の緊急度と重要度を決める
- 選んだ作業の満足度を5段階で決める
以上のような手順で進めると
- 「クライエントの重要な作業」
- 「クライエントの重要な作業の重要度・緊急度・満足度」
がわかるようになっています。
そのため、作業療法目標を共有する面接法にに不慣れな人でも実施しやすいです。
「イラスト」で分かりやすい
「重要な作業をあげてください」と何も提示しないで質問をすると重要な作業が出てこないことが多いです。
また、認知機能の低下や失語症など病気の影響によって、作業の想起がしづらいクライエントもいます。
この時、ADOCは「イラスト」を提示します。イラストで作業が提示されると具体的にイメージしやすくクライエントが作業を選択しやすくなります。
「イラスト」を見て語りがでる
イラストを提示することで作業療法士が質問をしなくても、
- 「これはしていた」
- 「これは絶対にできないと困る」
- 「これは楽しくやっていた」など
語りが出ることがあります。
このような語りはクライエントの「作業歴や人となり」を象徴するものであるため、作業療法士がクライエントの行うべき作業・重要な作業を支援する上で必要な情報になります。
まとめ
半構造化面接であるADOCの利点について解説しました。
ADOCの利点は
ADOCの利点としては以下の通りです
- 手順が決まっている
- 目標となる作業をクライエントに出してもらう時に「イラスト」でわかりやすい
- 「イラスト」をみてクライエントが語り出してくれることがある
以上のような利点があるので作業療法目標を共有するためにクライエントにADOCを実施しましょう!
ADOCについては公式ホームページがあるので詳しくはそちらを参考にしてください。
NPO法人 ADOC project
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