クライエントの作業遂行文脈を理解するための10の側面【OTIPM・作業遂行】

OTIPM
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OTIPM(作業療法介入プロセスモデル)のクライエントの作業遂行文脈を理解するための10の側面について解説します。

OTIPMが掲げているのは

  • 「真のトップダウンアプローチ」
  • 「クライエント中心」
  • 「作業に根ざした実践」

上記の3つを実施する上で作業遂行文脈の理解は必須です。

10個の側面を参考にまとめていくことで見落としが少なくなり、クライエントの作業遂行を理解がしやすいです。

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情報集取の方法

10の側面は「面接で直接クライエントからの情報収取」や「カルテなど紙面からの情報収集」で整理をしていきます。

だたOTIPMのマニュアルでは10の側面をインタビューガイドとして使用しないようにと書かれています。インビューガイドとして使うと自然な面接を行うことが難しいためです。

環境的

作業を行う環境。人がいるかいないか。使用する道具、材料。作業遂行を行う環境。

制度的

作業遂行に関わる法律、政策、介護保険サービスなどの種類。

課題的

クライエント自身がやりたい、する必要がある、社会的にすることが期待される作業。作業の複雑さ、工程数、必要な時間。

社会的

人間関係の範囲。人間関係がいいか悪いか。

文化的

作業を行う上での文化的信仰、価値観、慣習からの影響。

役割的

クライエントが重視している役割。役割に関係している作業の論理的、時間的、社会的遂行状況。期待されている役割と行動が一致しているか。

時間的

1日のスケジュール、慣習。現在のライフステージ。過去・今していること、将来したいこと。

心理機能的

作業遂行に関わる紙面やカルテから得られる心身機能障害の有無と程度。面接時の観察から得られる心身機能障害の有無と程度。二つを統合して考えられる心身機能障害の回復の可能性。

動機的

クライエントの価値・興味・目標と作業との関係。将来の作業遂行におけるクライエントの希望・優先順位。作業を行う内的動機。

適応的

問題解決のための環境調節をクライエント自ら行おうとする、行動の有無とその程度。従来と異なる方法に対する柔軟さや受け入れ態度。

臨床場面では

  • 一度で情報集取しきれない
  • 何回かに分ける
  • 10の側面が埋まることで作業遂行の可否が予測できる

一度の面接やカルテの情報だけでは10の側面をすべて埋めることは難しいと思います。作業療法介入を繰り返し行う中でクライエントとの会話や周囲の人々から情報収集をしてようやく全て埋まる形になります。

ある程度10の側面が埋まることでクライエントの作業遂行がどの程度行えているのか、改善はどの程度できそうか、ということが統合的に判断できるようになっている印象です。

他の作業を理解するモデルに入っていないものとして、クライエントが自身の目標に対して適応する行動があるかどうかという視点が入っているのは、当たり前だと感じていたため新鮮でした。

まとめ

OTIPM(作業療法介入プロセスモデル)のクライエントの作業遂行文脈を理解するための10の側面について解説しました。

OTIPMが掲げているのは

  • 「真のトップダウンアプローチ」
  • 「クライエント中心」
  • 「作業に根ざした実践」

上記の3つを実施する上で作業遂行文脈の理解は必須です。

10個の側面を参考にまとめていくことで見落としが少なくなり、クライエントの作業遂行を理解がしやすいです。

OTIPMの概要については以下のリンクで解説しています。

 OTIPM のマニュアル購入方法

今回はOTIPMのマニュアルを参考にまとめています。マニュアルは作業遂行研究会のWebページから購入できます。

sagyousuikoukenkyu.webnode.jp

コメント

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