リハビリテーションを実施する上での目標設定の理論【目標設定理論・自己決定理論・作業療法】

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回復期リハビリテーション病棟で勤めている経験をもとに目標設定の理論についてまとめました。

言語聴覚療法・作業療法・理学療法を実施する上で、クライエントの目標を設定することは、クライエントのパフォーマンスを高める上で必須です。

理論は「目標設定理論」「自己決定理論」の2つです。

目標設定理論

  • 目標は難しくなるほどパフォーマンスは高まる
  • 目標がない、目標があいまいだとパフォーマンスが高まらない
  • 具体的で難しい目標であればパフォーマンスはより高まる
  • 目標は曖昧より具体的、適度に難しい方がいい

自己決定理論

  • 多くの活動において自己決定することが高いパフォーマンスや精神的な健康をもたらす
  • 外発的動機づけと内発的動機づけがあり、内的動機づけの方が高いパフォーマンスを発揮、自身で行動をする

目標設定理論と自己決定理論をもとに目標設定をしてきましょう。

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目標設定理論

心理学者のLockeとLathamによって開発

400を超える実証的研究によって裏付けられている

目標は難しくなるほどパフォーマンスは高まる

目標がない、目標があいまいだとパフォーマンスが高まらない

具体的で難しい目標であればパフォーマンスはより高まる

目標は曖昧より具体的、適度に難しい方がいい

自己決定理論

DeciとRyanによって構成された人間の動機づけに関する基本的な理論

多くの活動において自己決定することが高いパフォーマンスや精神的な健康をもたらす

外発的動機づけ、内発的動機づけ

  • 外発的動機づけ:自身の外にあるものによって動機づけられる
  • 内発的動機づけ:自身によって動機づけられる

自己決定理論の3つの心理的欲求

  • 自律性:自らの行動を自分自身で選びたい、決めたいという感覚
  • 有能性:環境と効果的に関わり有能でありたいという感覚
  • 関係性:他者と関係と保ちたい、思いやりたい、思いやりを受けたいという感覚

3つの欲求が満たされると人は内発的動機づけがおこる。

内発的動機を高めるポイントは自律性と有能性を育むこと。

自己決定理論の動機づけ

動機づけの自律性が高い順番としては「内発的動機づけ」「外発的動機づけ」「無動機づけ」

無動機づけ:動機づけがない、無気力の状態

外発的動機づけ

  • 外的:報酬の獲得、罰の回避、社会的規則などの外的な要求に基づいた動機づけ
  • 取り入れ的:自身のプライド、他者との比較、罰や恥の回避などに基づく動機づけ
  • 同一化的:活動の必要性を理解した状態の動機づけ
  • 統合的:活動が自分の価値観と一致して受け入れている状態の動機づけ

内発的動機づけ:活動すること自体に意味を見出している

臨床現場で用いるためには

目標設定理論に基づくと「具体的でクライエントに適切な難易度」の目標を設定する必要があります。

さらに自己決定理論に基づくと「具体的でクライエントに適切な難易度」の目標設定に加えて、療法士が決定した外発的動機づけだけではなく、クライエントの内発的動機づけが盛り込まれた目標設定が必要です。

「病院に入院しているからやっている、退院して周囲の人に恥ずかしい姿を見せられないという」外発的動機づけ(外的・取り入れ的)のクライエントもいらっしゃいます。

どのようにしたら外発的動機づけ(同一化的・統合的)・内的動機づけの段階に進むことができるのかを考えていく必要があります。

まとめ

回復期リハビリテーション病棟で勤めている経験をもとに目標設定の理論についてまとめました。

言語聴覚療法・作業療法・理学療法を実施する上で、クライエントの目標を設定することは、クライエントのパフォーマンスを高める上で必須です。

理論は「目標設定理論」「自己決定理論」の2つです。

目標設定理論

  • 目標は難しくなるほどパフォーマンスは高まる
  • 目標がない、目標があいまいだとパフォーマンスが高まらない
  • 具体的で難しい目標であればパフォーマンスはより高まる
  • 目標は曖昧より具体的、適度に難しい方がいい

自己決定理論

  • 多くの活動において自己決定することが高いパフォーマンスや精神的な健康をもたらす
  • 外発的動機づけと内発的動機づけがあり、内的動機づけの方が高いパフォーマンスを発揮、自身で行動をする

目標設定理論と自己決定理論をもとに目標設定をしてきましょう。

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