2019年6月15日、16日に開催された第2回愛知県作業療法実践研修会に参加しました。
15日は寺岡睦先生の「OBP2.0とは〜理論から実践に〜」というテーマでOBP2.0について講義を受けました。
OBP2.0についてアプトプットを兼ねて解説していきます。
OBP2.0とは
作業療法の専門性と多職種連携を促進する理論
ポイントは以下の3つです。
- 状況と目的に応じて方法を活用する
- 信念対立解明アプローチを常時使用
- 作業機能障害の種類に対する評価と介入
特徴としては
- あらゆる作業療法領域に適応できる
- 医学モデルと作業モデルを柔軟に対応できる
- チームワークのマネジメントができる
- 作業機能障害の評価と介入ができる
作業機能障害
作業機能障害とは
生活行為(仕事、遊び、日課、休息)が適切に行えない状態
作業機能障害は4つに分類されます。
- 作業不均衡:日々の生活行為のバランスが崩れている状態
- 作業剥奪:外的要因によって生活行為が制限されている状態
- 作業疎外:生活行為に対して意味を見出していない状態
- 作業周縁化:意味を感じる生活行為を周囲から認めてもらえない状態
OBP2.0で使用する評価
構成的評価の一部は京極真先生と寺岡睦先生のブログでダウンロードできるようになっています。
構成的評価
- 作業機能障害:STOD,CAOD,APO,OCAなど
- 信念対立:ABC-R14,ABC-G,ABC-19
- そのほかの評価:既存の評価尺度(HDS-R,MMSE,COPM,AMPS,ROM,MMT,FIMなど)を併用してもよい。
非構成的評価
面接と観察、4条件メソッド
作業機能障害の評価と介入
評価 | 介入 | |
作業不均衡 | クライエントの作業バランスに焦点化 | 生活指導、作業の調節、統制感の取り戻しなど |
作業剥奪 | 環境が作業遂行に与える影響について焦点化 | 環境調節、自助具・装具の作成、マンパワーの育成、協力体制の整備など |
作業疎外 | 心身機能が作業遂行に与える影響に焦点化 | 探索、フロー、カウンセリング、幸福感を高める作業など |
作業周縁化 | クライエントと周辺の人々の作業に関連する認識のギャップに焦点化する | 交渉、解明、マネジメントなど |
OBP2.0の多職種連携、信念対立解明アプローチ
信念対立とは
- 対立には信念が伴う
- 2つ以上の考え方、感じ方、やり方がせめぎ合う状態
- 信念対立は私と他者の間で生じることもあれば、自分の中で生じることもある
- 信念対立はゼロになることはない
信念対立解明アプローチの基本方法
感情調節技能:不毛な対立ではストレスによって「考えすぎたり、視野が狭くなる、効果的な対処ができなくなる」
- マインドフルネス:今この瞬間に意識を向けて不毛な対立から解き放たれる
- ポジティブ感情:ポジティブの感情は不毛な対立を抜け出すための選択肢を作ることができる。良い点を見つける、笑いのポイントを作る。ポジティブ:ネガティブ=3:1
- 有酸素運動
コミュニケーション技能
- 「状況」と「目的」を確認する
- 「状況」と「目的」を共有する
- 「状況」と「目的」に応じて「方法」を考える
実施のタイミング
- 信念対立の発生を予防したい
- すでに信念対立が発生している
勉強会では
OBP2.0の解説と合わせてワークが多くありました。
- 作業機能障害の評価方法であるCAODを自分でつける
- 事例を通して作業機能障害や信念対立を評価してどのように介入するのか
ワークを通してOBP2.0の思考である「状況と目的に応じて方法を考える」に慣れることができました。
現場に戻った際には1つの考えに囚われるのではなく柔軟な思考をして、クライエントの作業遂行の可能化と多職種連携のマネジメントを行いう必要性を感じました。
まとめ
2019年6月15日、16日に開催された第2回愛知県作業療法実践研修会に参加しました。
15日は寺岡睦先生の「OBP2.0とは〜理論から実践に〜」というテーマでOBP2.0について講義を受けました。
OBP2.0は作業療法の専門性と多職種連携を促進する理論
ポイントは以下の3つです。
- 状況と目的に応じて方法を活用する
- 信念対立解明アプローチを常時使用
- 作業機能障害の種類に対する評価と介入
特徴としては
- あらゆる作業療法領域に適応できる
- 医学モデルと作業モデルを柔軟に対応できる
- チームワークのマネジメントができる
- 作業機能障害の評価と介入ができる
参考文献
第2回愛知県作業療法実践研修会の資料
寺岡 睦,京極 真:作業に根ざした実践と信念対立 解明アプローチを統合した「作業に根ざした実践 2.0」 の提案.作業療法 3(3 3):249-258,2014.
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