クリニカルリーズニングついて解説をします。
作業療法士が行うリーズニングとは以下の通りです。
作業療法士が使用するリーズニングは5種類に分類されています。
- 科学的リーズニング
- 叙述的(物語的)リーズニング
- 相互交流リーズニング
- 実際的リーズニング
- 倫理的リーズニング
これらをリーズニングを意図的に行うことで作業療法をよりよく実践することができます。
リーズニングとは
ロジャース(Rogers)が1983年にエレーナ・クラーク・スレーグル記念講演で述べ、導入された概念。
作業療法士がクライエントへの介入計画、方向付け、実行し、結果を内省する「思考の道筋・筋道」のことを言います。
科学的リーズニング
論理的思考・科学的な方法を活用した思考。
仮説検定など科学的な根拠に基づいて、クライエントに最大の利益となる介入の決定についての状況理解に利用される。
例:クライエントの疾患・障害によって制限因子を理解して、作業療法を行う。
叙述的(物語)リーズニング
クライエントの病や作業的な語りに焦点を当てた思考。クライエントの視点を取り入れて、クライエントの行動を作業療法過程に導く。
例:作業療法中のクライエントがどのような生活を送ってきたのか面接する。面接をもとに重要な作業・価値観を理解する。
相互交流リーズニング
作業療法場面でのクライエントとのコミュニケーションを通して展開する思考過程。
例:クライエントの語りや表情などに合わせて、作業療法士が対応を変える。
実際的リーズニング
病院の基準、制度、保険などの社会的環境。作業療法室か病室か治療器具があるかないかなど物的環境。あるものや制約に合わせて実践を行う思考過程。
例:クライエントの自宅環境を、作業療法室にあるもので可能な限り再現する。
倫理的リーズニング
作業療法士が医療職であることを認識して、作業療法実践で行なっていいこと悪いことを判断する思考過程。
例:クライエントと家族の意見が一致しない場合意見をどのように擦り合わせるか考える。
実際にリーズニングを利用するには
僕は回復期リハビリテーション病棟に勤めています。
クライエントは疾患を持っているため、疾患に合わせた「科学的リーズニング」を用います。
クライエントの初期評価時に生活状況を聞くことや日々の会話は「叙述的リーズニング・相互交流リーズニング」を用います。
クライエントの訓練介入ではリハビリ室にある道具や回復期の制度、クライエントの疾患の状態に合わせて行うことは「実際的リーズニング」を用います。
生命や価値観などを考慮して訓練で行なって良いこと悪いことは「倫理的リーズニング」を用いいます。
まとめ
クリニカルリーズニングついて解説をします。
作業療法士が行うリーズニングとは以下の通りです。
作業療法士が使用するリーズニングは5種類に分類されています。
- 科学的リーズニング
- 叙述的(物語的)リーズニング
- 相互交流リーズニング
- 実際的リーズニング
- 倫理的リーズニング
これらをリーズニングを意図的に行うことで作業療法をよりよく実践することができます。
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