2019年6月15日、16日に第2回愛知県作業療法実践研修会に参加してきました。
16日は京極真先生の「研究法を学ぶ」というテーマで作業療法研究の方法について学びました。
個人的にポイントだと感じたのは以下の通りです。
- 研究疑問の種類が決まれば、構造化する方法、研究手法も決まる
- このため、研究疑問の構造化は研究の中でも重要な工程
僕は作業療法研究の経験はないため、この勉強会の時間内で「研究疑問を出す→研究疑問の構造化をする→研究手法を決める」ここまで実施することができて良い経験が積むことができました。
研究手法を決定するところで終えているので、今後の勉強は「作業で創るエビデンス」を参考にしながら実施すると良いと感じました。
6月15日の寺岡睦先生のOBP2.0については以下の記事でまとめています。
作業療法研究概論
作業療法研究とは
- 作業・健康・幸福およびその関連性を探求・検証する営みである。
- 作業中心、クライエント中心、理論を基盤にしている必要がある
- AOTAは「評価、介入、橋渡し、基礎、ヘルプサービス」をカテゴリー分けしている
研究倫理
研究倫理があるわけ
- 第二次世界大戦中に非人道的な人体実験の反省がある
- 人道的な研究をするための原則として研究倫理ができた
研究倫理は厚生労働省が「研究に関する指針について」というものを出している
研究倫理は尊守するもの
研究疑問の構造化
研究疑問の作りかたとしては以下の手順があります
臨床疑問→事例報告→研究疑問
臨床疑問
- 日々の臨床で感じる曖昧で漠然とした疑問
- 事例報告から生成した仮説から得られることがある
- 研究疑問は臨床疑問から創る
事例報告
- 臨床の中で生じた結果を吟味する
- 事例報告は仮説生成(研究疑問)に適している
- 事例報告をするには日々の臨床を丁寧に行う必要がある
研究疑問
- 臨床疑問を具体的で明瞭なかたちに構造化したもの
- 研究疑問は研究の骨格を示すもの
- より研究疑問はよい研究にかかせない
臨床疑問の種類
- 病因、頻度、実態、評価、予後、介入、予防、害、意味など
研究疑問の構造化と臨床疑問の種類
- 質的研究(Participant/Exposure/Outcome,PEO):意味
- 観察研究(Patient/Exposure/Comparison/Outcome,PECO):病因、頻度、実態、予後
- 介入研究(Patient/Interbention/Comparison/Outcome,PICO):介入、予防、害
- 尺度研究(Patient/Exposure/Comparison/Outcome,PECO):評価
- 混合研究(PECO/PICO):全て
先行研究の検討
先行研究はデータベースで調べる
- Pubmed
- Google Scalar
- OTDBASE
- J-STAGE
- Cinii
先行研究では2つの点を明らかにする
- わかっていること
- わかっていないこと
レビューマトリックスを使うと良い
研究法を学ぶ
質的研究
数字で表現できない現象の理解・説明・解釈を行うこと
種類
- SCQRAM,TEA,SCAT,M-GTA,事例コードマトリクス,コンセンサスメソッドなど
量的研究
現象を数値化し、仮説を立てる方法
統計、サンプリング、誤差など統計学の知識が求められる
観察研究
臨床の実態を把握すること
相関関係から因果関係まで幅広く捉える
種類
- 記述的研究
- 分析的研究:コホート研究、ケースコントロール研究、横断研究
介入研究
予防・介入・治療の効果を確認すること
種類
- ケースシリーズ
- シングルシステムデザイン
- 郡内前後比較研究
- 非ランダム化比較試験
- ランダム化比較試験
混合研究
多種多様な問題を探求すること
哲学的立場を明確にする必要がある
種類
- 説明的順次デザイン
- 探索的順次デザイン
- 収斂デザイン
尺度研究
新しい尺度を開発、既存の尺度の特性を検討および改善
研究内容
- 妥当性
- 信頼性
- 解釈可能性
- 反応性
まとめ
個人的にポイントだと感じたのは以下の通りです。
- 研究疑問の種類が決まれば、構造化する方法、研究手法も決まる
- このため、研究疑問の構造化は研究の中でも重要な工程
僕は作業療法研究の経験はないため、この勉強会の時間内で「研究疑問を出す→研究疑問の構造化をする→研究手法を決める」ここまで実施することができて良い経験が積むことができました。
研究手法を決定するところで終えているので、今後の勉強は「作業で創るエビデンス」を参考にしながら実施すると良いと感じました。
6月15日の寺岡睦先生のOBP2.0については以下の記事でまとめています。
コメント
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