作業療法士として、人を見る視点との一つに作業的存在があります。作業科学から発展してきた考えです。
作業的存在とは
こと言います。
クライエントがどのような人で、作業療法士が関わることで、どのような存在になっていくのか?を考える上で重要な視点です。
作業的存(occupational being)とは?
作業をすることによって自分自身がどのような存在かが決まるということ。どんな生涯を送るのか、どの集団に属するのかも決まってくること。
doing:作業。行うこと全て。
being:存在。自分自身。自分であること。
becoming:将来の自分になっていくこと。変化すること。
belonging:所属すること。所属する集団が決まる。
doing→being→becoming→belonging(→doing)と作業を行うことで現在の自分が規定され、将来の自分も規定され、所属する集団が決まるといったサイクルがあります。
doingからbeingへ
作業を通して存在が定義されます。
自分が何をするか、doingから始めることができる。doingを続けることでbeing存在・どのような人か・個性が規定される。
自分が行うことを通して、自分がどんな人になるか決めることができる。
doingからbecomingへ
行うことdoingによって作られた今の自分beingから自分の将来becomingが出来上がる。
今までしてきた作業を通してどういった存在になっていくか。
doingからbelongingへ
行うことdoingで所属する集団belonging決まる。
作業を行うことで社会とつながることができる。
作業的存在と健康
作業を行うことは健康に近づく。
作業を通して個性が発揮できる作業に関わることで健康に近づく。
他者とかかわり共同の作業を行うことで自分と他者ともに健康に近づく。
現場で応用するには
クライエントがどのような作業を通してきたのか作業歴や職業歴など情報収取をする
その情報をもとにどのような人かを理解する
よい未来(退院や自宅での生活がつづくなど)をつくり上げるために作業療法を実施する
このような視点ももって介入できると作業的存在としてクライエントは健康にちかづけると思われます。
まとめ
作業的存在とは
こと言います。
クライエントがどのような人で、作業療法士が関わることで、どのような存在になっていくのか?を考える上で重要な視点です。
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