PT/OT/ST5カ条について勉強する機会があったためまとめてみました。
PT/OT/ST5カ条はPT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)それぞれの職種が行うべきこと、行っていることを示しています。
5ヶ条をもとに多職種のことを知り、お互いの得意な専門分野を生かして患者様のより良い生活が過ごせるようにアプローチを行っていくことが重要です。
それぞれの職種の専門性
PT、OT、STの専門性を簡単に表すと以下の通りになります。
- PTは運動のプロ
- OTは活動のプロ
- STは認知・嚥下・コミュニケーションのプロ
PTの専門性
PTの5ヶ条は以下の通りです。
運動機能に焦点が当たっており、運動機能面を生かして生活や全身状態の管理、基本動作の学習、日常生活につなげていくリハビリテーションを展開することができる職種です。
運動面についての専門性が高い職種になります。
PT 5か条
一般社団法人 回復期リハビリテーション病棟協会より http://www.rehabili.jp/active.html
1. 筋力、関節可動性、姿勢バランスなどの運動機能を回復させよう
2. 全身の部位・状態などを観察し、不動による疼痛・虚血を予防しよう
3. 呼吸・循環機能を高め、社会生活に必要な体力の向上を図ろう
4. 課題にそった運動学習を促し、実際的な基本動作を高めよう
5. ADLの自立に向けて運動療法、物理療法などを駆使しよう
OTの専門性
OT5ヶ条は以下の通りです。
生活行為≒活動に焦点が当たった職種になります。
生活行為が本人が行っていきたいと希望する活動を重要視しているため「日常生活、家事」「個別性、その人らしい」「身体機能面、認知面、環境面」など様々面で活動を捉えて、リハビリテーションを展開していきます。
このため、活動面についての専門性が高い職種になります。
OT 5か条
一般社団法人 回復期リハビリテーション病棟協会 活動内容より http://www.rehabili.jp/active.html
1. ADL・IADLの実施状況を評価・介入し、生活機能向上につなげよう
2. 生活行為に活かせる身体機能/操作機能の改善・獲得に取り組もう
3. 認知・行為、心理的側面を包括的に捉え、その人らしい生活の実現を援助しよう
4. 自助具や福祉用具を駆使し、対象者を取り巻く環境を調整することで生活機能を充実させよう
5. 地域生活の拡大・充実(再建)に向けて個別性のある支援を行おう
STの専門性
ST5ヶ条は以下の通りです。
コミュニケーション、嚥下、高次脳機能障害に焦点が当たっている職種です。
他人と交流し社会参加をしていく「コミュニケーション」、生きていくために必要な「食事」、脳機能が障害されている「高次脳機能障害、認知面」の3つについてリハビリテーションを展開していく職種になります。
コミュニケーション、嚥下、認知面について専門性が高いです。
ST 5か条
回復期リハビリテーション病棟協会 http://www.rehabili.jp/active.html
1. コミュニケーション機能の改善をはかり、意思疎通の向上に努めよう
2. 生活の場でコミュニケーション環境の調整を行い、社会参加を促そう
3. 摂食嚥下機能を高め、経口摂取を目指そう
4. その人らしい食のあり方を提案し、安全で安心な食事のあり方を提示しよう
5. 高次脳機能障害を評価し、生活の再構築に向けた介入をしよう
リハビリテーション職の多職種連携
5ヶ条の文面をもとにお互いの専門性を知る
PT・OT・ST5ヶ条はそれぞれの職種の専門性が記載されています。
僕は作業療法士なので「活動」が得意な職種です。
このため、理学療法士、言語聴覚士には活動の視点で患者様の情報(評価結果・訓練内容・目標)を伝えることができます。
逆に「運動」の面では理学療法士から、「コミュニケーション・嚥下・認知面」の面では言語聴覚士から患者様の情報を得ることができます。
自分の職種の専門性を生かしていくことと同時に、自分の職種の専門性以外のところは他職種から情報を得て患者様を捉えていくことが必要です。
専門性の違いを生かして患者様全体を捉える
リハビリテーション職は職種がPT、OT、STと分かれているため、それぞれ得意な専門性が違います。
得意なことが違うということは、患者様を捉える視点も違います。
PTが運動面、OTが活動面、STがコミュニケーション・嚥下・認知面、それぞれの視点・専門性の違いを活かすことで患者様の生活全体を捉えることができます。
全体を捉えることができることで、より良い目標設定、訓練が行えるようになり、患者様の社会復帰に寄与できる可能性が高くなります。
まとめ
PT/OT/ST5カ条について勉強する機会があったためまとめてみました。
PT/OT/ST5カ条はPT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)それぞれの職種が行うべきこと、行っていることを示しています。
5ヶ条をもとに多職種のことを知り、お互いの得意な専門分野を生かして患者様のより良い生活が過ごせるようにアプローチを行っていくことが重要です。
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